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第十四話 壷の決意

ぽっぽとの遭遇で、一番ショックを受けていたのは
他の誰でもない、そう壷であった・・・

壷「(みんな俺を信じて、従ってくれたのに・・・ 」

壷「(何にもならなかった・・・ )」

みんなの前では平静を装ってはいたが
部屋に戻ると自分の不甲斐なさにひたすら落ち込んでいた

ガンッ!
意味も無くベッドに蹴りを入れる

壷「 くそっ・・・ 」
情けなさがいっそうこみ上げてきた

クリボーの姿が頭の中でフラッシュバックする
一番見たくないシーンも・・・

壷「 葵姉ぇ・・・俺・・・俺・・・ぁあああっ! 」

やり切れない怒りが沸いてきて、物に八つ当たりする・・・

一見酔っ払いが暴れてるようにも見えなくはない


夜も更けてみんなが寝静まったころ

壷はひっそりと部屋を出た

葵の部屋の前でじっと扉を見つめると
意を決したかの様に、そっと・・・ドアを押し開ける

部屋に入ると、そこには静かに眠っている葵の姿あった

壷「 葵姉ぇ・・・ 」

しばらく葵の顔をじっと見つめる壷・・・

壷「 俺、葵姉ぇのこと・・・好きだ 」

壷「 本気で、葵姉ぇを幸せにしてやりたいと思ってる
   でも・・・しばらく姉ぇのこと忘れる 」

壷「 杏や倍増、廃慈があんなに頑張ってるのに・・・
   俺は何もできなかった・・・ 」

壷「 それに・・・ 」

壷「 今の俺じゃ葵姉ぇに相応しいと思えない・・・ 」

壷「 今度のバンク大会・・・頑張る
   もっともっと・・・みんなで強くなれるよう頑張る 」

壷「 そしていつか、葵姉ぇに相応しい男になってみせる 」

壷「 きっと・・・・ 」

葵は静かに寝息を立てている

壷は葵の顔をまじまじと見つめる・・・

壷は、葵の顔に手を静かに近づける・・・

手が顔に触れそうなところまでいくと
突然、ぐっと握り、手を引っ込めた

壷「 見守っててね・・・俺、負けないから 」
そういい残すと、壷は振り返り部屋を出て行く

ドアを開け部屋をでようとしたとき

葵「 ・・・きっとね・・・壷ちゃんなら・・・できる 」

寝言なのか・・・葵は変わらずに寝息を立てている

壷は、葵の部屋を後にして自分の部屋へ戻る

壷「 ぎゃー!き、聞かれた!?聞かれたの!?
   死にてぇえええええええええええええ! 」

ガンガン!
タンスに頭を打ち付ける

壷「 こんなのスマートじゃねーよ!かっこわりぃいー!
   しかも、夜中にこっそり部屋いくとか・・・
   マジで死にてぇえええええええええええええ! 」

騒がしい壷の部屋とは裏腹に、あたりは静まっていた