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こぼれ話12 おそろしい子

武者修行から戻った兎は
しいたけ師匠から教わった特訓を続ける為に素振り用の武器を作り始めた

兎「 よしっ・・・あとは棒に重りをつければ完成だ 」

兎が重りをつけようと、適当なものを探していると・・・

葵「 兎ちゃん、なに探してるの? 」
兎「 あ、葵姉ちゃん・・・なにか重いものないかなーって 」

葵「 重いもの・・・ね・・・ちょっと待ってて 」

葵は家の中へ入ると、しばらくしてから出てきた

葵「 これなんてどうかしら? 」
葵が差し出したものを見ると・・・

『 物価の上昇と世界経済の破綻 』

兎「 ・・・ 」

葵「 こんなのもあるよ? 」

『 多重債務者による無理心中の実態 』

兎「 ・・・いや、確かに重いけど違うからっ! 」
葵「 あら、違ったの?ごめん、勘違いしてたみたい 」

兎は重りを探すが、丁度いいものはなかなかない

そこで、前に慶太と特訓していた時に
頭上に落ちてきた漬物石の存在を思い出した

兎「 よし、あれを使おう 」

漬物石は、ちょうどいい重さで
ようやく100キロ程の素振り武器が完成した

葵「 漬物石・・・そんなものどうするの? 」
兎「 これで素振りすると、動きに余裕が出来るんだよ 」

兎「 まあ、見ててよ 」

兎は武器を構えると、スマッシュの素振りをはじめた

ブン!ブンッ!

葵「 凄い・・・よくそんなもの軽々と振り回せるね 」
兎「 軽々じゃないよ、結構大変なんだよこれ・・・ 」

そこに慶太が顔をだす

慶太「 へぇー、そんな練習あるのか・・・どれ俺にもやらせてくれ 」
兎「 ほい、いきなり思い切り振るのは無理だとおもうよ・・・? 」

慶太「 どれ・・・フンッ!ギッギギギギ・・・ 」
慶太はやっとの思いで持ち上げる

慶太「 お前、こんなものを・・・どうりで、動きが違うわけだ 」

慶太「 悪いけどコレ、俺にも貸してくれ、俺も毎日やってみる 」
兎「 いいよ、当然だし・・・そうだ!廃慈にもやらせよう 」

廃慈を呼び出すと、これから素振りの練習をするように勧める

兎「 と、言うわけだから・・・廃慈も一緒に練習しないか? 」
廃慈「 ・・・ 」(うなずく)

兎「 でも、廃慈にコレはきついから、もう少し軽めの奴作るかな・・・ 」

兎が、廃慈の練習武器を造ろうとしていると
廃慈は黙って慶太の手元から素振り用の武器を受け取る

そして・・・

ヒュンッ!ヒュンッ!ボキィッ

兎「 !? 」
慶太「 !!? 」
葵「 !?!? 」
春「 Σ(*’д゚;) 」

練習用の武器はへし折れ
漬物石は、数メートル先に転がった

廃慈は照れくさそうに、折れた棒を慶太に返す


その様子をハイドで見ていた倍増
倍増「 廃慈・・・恐ろしい子っ! 」