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第三十一話 バンク大会当日

いよいよバンク大会の当日がやってきた

烏賊足家は、朝からあわただしく動いている


慶太「 みんな、そろそろ出発するぞ!準備はいいか? 」
壷「 ちょっとまって・・・俺の弓が・・・矢の数これで足りるかな 」

慶太「 おいおい、それぐらい前もって準備しておけよ・・・ 」

葵「 春ー! 」
葵「 ここにご飯置いておくから、全部食べないで少しずつ食べるんだよ? 」
春「 わぅ〜? 」

春「 わん♪ 」がつがつもぐもぐ・・・
葵「 こらっ!言ってるそばから・・・! 」

春「 わんわん♪ 」もぐもぐ・・
葵「 (*´∀`)σσσσ)´Д`*) ドルルルルルル・・・ 」
春「 Σ(*゚Д`;)ア…ア…アッハァァァァァァァ!!? 」

葵「 もう、仕方ないなぁ・・・ 」
葵「 お兄ちゃん、やっぱり春連れていっちゃダメ・・・? 」
慶太「 おいおい、遊びで行くんじゃないんだぞ 」

ユノ「 慶太さん、よければ私が春ちゃんの面倒みますよ 」
慶太「 ユノさんがそれでいいなら・・・ 」

葵「 春良かったね、一緒に行ってもいいって! 」
春「 わん! 」

そのころ倍増は、廃慈の部屋を訪ねていた

倍増「 廃慈姉ちゃん・・・いよいよだね・・・ 」
廃慈「 うん・・・ 」

倍増「 俺・・・頑張るから・・・! 」
廃慈「 うん・・・ 」

倍増「 姉ちゃんは、俺が守るから・・・ 」
廃慈「 うん 」

廃慈「 倍増・・・ 」
倍増「 廃慈・・・姉ちゃん・・・ 」

見詰め合う二人、とてもいい雰囲気・・・

そこへ
兎「 おーい、そろそろ出発だってさー! 」

勢いよく飛び込んでくる兎
とっさに距離を置く不自然な2人

倍増「( ・・・いいところだったのに・・・ )」
廃慈「 ・・・ 」

兎「 うん?どうかしたのか? 」

倍増「 ・・・兎兄ちゃん・・・空気って読める? 」
兎「 ・・・か、からけ? 」

倍増「 ・・・なんでもない 」


その頃、杏は・・・

杏「( ・・・この大会が終わったら・・・ )」
杏「( もっと、自分に素直になるんだ・・・)」

自分の部屋でブツブツ言っていた


やがて、準備を整えて、一人二人と居間へ集まる兄弟たち
ふと、兎が何かに気付く・・・

兎「 ・・・ユノっち・・・なんだそれ・・・ 」
ユノ「 な、なにがですか? 」

兎「 ・・・それだよ、その小瓶・・・ 」
ユノ「 ・・・こ、これはっ・・・なんでもないですよっ! 」

兎「 ちょっと、貸してみ 」
ユノ「 やだっ、ダメェ・・・やめてぇー 」

兎がユノの荷物から、小瓶を抜き取ると蓋を開けて中身を確認する

ユノ「 ぁわぁあわわ、あばばば!! 」

兎「 やっぱり・・・! 」
瓶の中身はブランデーだった

兎「 これは没収ね 」
ユノ「 ・・・はい 」

壷「( ・・・兎兄・・・ナイス! )」

そんな調子で全員が揃う

葵「 よし、みんないくよー 」
慶太「 忘れ物はないな?今日は本番だから気合いれて行くぞ! 」

一路、バンク大会が開かれる村の闘技場へと向かった

闘技場へ向かう道は、見学者が溢れかえっており
改めてバンク大会が一大イベントであることを認識させられる

倍増「 ・・・凄い人の数・・・ 」
倍増「 本当に僕らが参加してもいいのかな・・・ 」

杏「 いまさらビビるなよ・・・ 」
杏「 闘技場に入ればもっと沢山の人がいるはずだ 」

慶太「 ここまで来たら、もう腹くくるしかないだろ? 」

心配そうな顔をする倍増の手を、廃慈がそっと握り締める
廃慈「( ・・・大丈夫 )」

闘技場周辺では、既にお祭り騒ぎになっていた

露天が立ち並び、威勢よく声を張り上げている

オルフィーナ「 安いよー!ほら、見てってカセドリア公認オフィシャル品! 」
オルフィーナ「 今ならなんとバンク大会開催記念に特別にこのお値段! 」
オルフィーナ「 この装備さえあれば、活躍できること間違いなし! 」
オルフィーナ「 さあ、買った買ったー! 」


一方、闘技場の入り口

ハイブリ君「 あらぶるハイブリ君のポーズ!∩(・∀・)∩ 」
ハイブリ君「 出場者の方はこちらで受付を済ませてから、控え室へどうぞー 」

慶太「 おっ、あそこだな・・・ 」

慶太「 エントリーしている烏賊足ですが・・・チーム名は・・・ 」
ハイブリ君「 はい、出場者の方ですね・・・烏賊足・・・烏賊足っと・・・ 」
ハイブリ君「 ありました、控え室はここから入って通路を左へ行って下さい 」

慶太「 えっと、家族も一緒に来てるんだけど控え室に入れるのかな? 」

ハイブリ君「 えっと、基本的には出場者のみとなっていますが
       マネージャー扱いで、一人だけ入ることが許されています 」

慶太「 ユノさん良かったな・・・控え室入れるみたいだよ! 」
ユノ「 本当ですか?良かった〜 」

ハイブリ君「( ・・・ユノ!? )」
ハイブリ君「( ハゲスから話には聞いていたけど・・・ )」
ハイブリ君「( ・・・いつものボケだと思ってた・・・ )」

ユノの顔をじっと見つめるハイブリ君

ユノ「 あの・・・私の顔に何か? 」
ハイブリ君「 あらぶる・・・ハイブリ君のポーズ!∩(・∀・)∩ 」

ユノ「 ・・・ 」

ハイブリ君「 あの・・・その可愛いワンちゃんは? 」
葵「 あ、春はうちの家族です 」

ハイブリ君「 まさかその犬も控え室へ・・・? 」
葵「 ダメですか・・・? 」

ハイブリ君「 ・・・さすがに犬は・・・ 」
葵「 犬、犬って・・・春は大事な家族なんですっ! 」

ハイブリ君「 うーん、弱ったなぁ・・・ 」
葵「 お願いします、春も入れてあげてください 」

ハイブリ君、実は女性に非常に弱かった

ハイブリ君「 ・・・仕方ないですね、今回だけ特別ですよ? 」
葵「 わーい、ありがとうっ 」

ハイブリ君「 いえいえ・・・ 」
ハイブリ君「 その代わり、ちゃんと大人しくさせてくださいね 」

ハイブリ君「 僕が・・・怒られちゃいますから、怖い人に・・・ 」

葵「 怖い人・・・? 」
ハイブリ君「 ええ、そりゃもう・・・ハゲスっていう・ 」ぶつぶつ

葵「 わかりましたー! 」

葵「 春、大人しくしててね? 」
春「 わん 」

ハイブリ君「 あらぶるハイブリ君のポーズ!∩(・∀・)∩ 」
春「 ううぅーわんわんわん! 」がぶっ!

ハイブリ君「 ひぃい〜、まいった!まいったから離してぇー 」
葵「 こらっ!春、変なもの咬むと病気になるよっ! 」

春「 ・・・わぅ 」素直に離す

ハイブリ君「( ・・・可愛い顔して、何気に酷いことを・・・ )」



一方、闘技場の外・・・
闘技場へと向かう一人の男がいた