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第六話 葵と杏

葵は慶太からもらった杖を、大事そうに見つめながら物思いにふけていた

葵「(魔法か、私に上手く出来るかな・・・)」

葵「(壷ちゃんは大切な役目だって言ってたけど責任重大だなぁ・・・)」

そこへ魔法のトレーニング方法を壷が教えにくる。

壷「 それじゃ、杏と葵姉ぇこっちへきて 」

壷「 魔法職はスキルによって立ち回りが違う。
   でもその前に確実に魔法を当てなければならない。
   まずは思い通りに魔法を使えるようにしないといけない 」

壷「 そこで二人には・・・・これをやってもらう 」

壷が用意したのは、5mぐらいの縄に繋がれた烏賊足春だった。

葵「 まさか、春ちゃんに魔法を撃てって言うんじゃないでしょうね? 」

壷「 いや、そのまさかさ。
   動き回る狼に魔法を自由に当てれるようになれば、
   人の動きなんて簡単に捉えられるようになるよ 」

葵「 でも、春ちゃん可愛そうだよ 」

壷「 まあ、そこは置いといて・・・ 」

準備したトレーニング用の杖を二人に渡す。

壷「 この杖は魔法のイメージやトレーニングに使うもので、
   魔力はかなり低い、通常の杖が100だとしたらこの杖の1程度だな。
   でも当然魔法だから、多少のダメージはある、
   そこで、これを春の体に捲きつけて・・・っと 」

壷「 二人は春にくくりつけたこの布に魔法を当てるんだ 」

壷「 杏、練習用の杖で春のお尻に一発魔法をお見舞いしてくれ 」

杏「 ヘルファイアー! 」
ゴオッ轟音とともに、大量の火が吹き出し春を襲う

春「 キャインキャイン・・・ 」

壷「 これで春は杖を怖がって逃げ回るはずだ、
   二人は狙ったところに魔法を確実に当るようになるまで練習してね 」

葵「 でも、春が可愛そうで私できないよ」

壷「 葵姉ぇ、葵姉ぇが早く上達すれば、春は怖い思いしなくてすむし、
   兄妹も助かるんだよ、俺だってこんな練習やらせたい訳じゃない
   でもリスクがある分、練習にも身が入るし早く上達すると思うんだ 」

葵「 ・・・わかったよ、壷ちゃんがそこまで言うなら、壷ちゃんを信じる 」

壷「 ・・あ、ありがとう 」
なぜか照れている壷であった。

杏「 あほらしい・・・ 」

杏はそんな二人のやり取りを横目に飽きれながら、
春に向かって杖を構える。

春は杖をみてロープの届く範囲を逃げ回る。

杏「 ライトニング! 」ビシャーッ!
杏「 ファイヤ! 」ボン!
杏「 ファイアーランス! 」ボゥン!

杏の魔法は正確で、
春の体に捲きつかれたターゲットを確実に打ち抜いていた。

壷「 すげ・・・杏にここまで才能があるとは・・・ 」

杏「 サンダボルト! 」ピカーッ!

春「 ギャン!くぅーん 」
サンダーボルトを受けた春の体が宙を舞い、地面へ叩きつけられる。

杏「 あ・・・ごめん春、思わず・・・ 」

葵「 すごい、杏ちゃん・・・いつの間に・・・凄い!凄い! 」

杏「 別に凄いことじゃない。
   落ち着いて狙えば誰だってこれぐらい簡単にできる 」

葵「 へぇー・・・よし次は私の番だね、いっくよー! 」

葵「 落ち着いて落ち着いて・・・いまだ! 」

葵「 アイスボルト! 」
葵「 アイスジャベリン! 」
葵「 ライトニング! 」
葵「 ライトニングスピアー! 」

杏「 ちょっとまて、葵姉ぇストップストーップ! 」

葵「 え?うん 」

杏「 どこ狙ってる? 」
葵「 えっと、春・・・ 」

杏「 じゃあなんで私の真横に雷が落ちたり、隣の家の屋根が凍ってるんだ? 」
葵「 え?やだ・・・本当・・・ 」

杏「 目開けてるよね? 」
葵「 ・・・うん 」

杏「 春狙ってるよね? 」
葵「 ・・・うん 」

杏「 才能ねーな・・・ 」
葵「 ガーン! 」

壷「 ちょっと待った、杏 」

壷「 どっちかと言うと最初から狙い通り撃てるお前のが異常だよ・・・
   これが才能なら、お前は魔法の申し子かもしれない 」

壷「 だからって葵姉ぇが才能無い訳ではないだろう、
   お前が葵姉ぇに魔法を教えてやってくれよ 」

杏「 めんどくせーよ、コツなんて判らないし狙ったところに普通飛ぶだろ? 」

葵「 うぅ・・・・・・ 」

壷「 おまっ!なんてこと言いやがるんだ!
   葵姉・・・気落とすことないって、葵姉ならすぐコツつかめるよ、きっと 」

葵「 ・・・壷ちゃんありがとう・・・私、頑張るから・・大丈夫・・・ 」

杏「 まあ同じチームになる以上、こんな下手っぴが居ると迷惑だからな
   それなりに手伝ってはやる 」

壷「 お前偉そうだな 」

杏「 当然だろう?教える立場に立つというのは偉いんだよ
   教える立場のものが目上で見てたら、
   謙虚な気持ちで受け止めることが出来ないだろう? 」

葵「 わかった・・・杏ちゃん、訓練の間は杏ちゃんのこと
   杏師匠って呼ばせて頂きます。どうか魔法のコツを教えてください 」

杏「 まあいいだろう、判ったらお前は気が散るから他へいってろ 」
と、壷に向かってシッシッと手を振る

壷「 く・・・判ったよ、その代わりちゃんと葵姉ぇの面倒見るんだぞ? 」

杏「 わかったわかった 」

こうして、葵にとって「 地獄の2週間 」と
後に言い伝えられる日々が始まるのであった。

その頃・・・・追い出された壷は

壷「 くそー、俺なら手取り足取り、基本から教えてやれるのになぁー!
   杏があんな才能あるなんて、計算外だよー! 」