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第八話 倍増覚醒

それぞれの訓練開始から1週間が経過し、
慣れてきたところで合同訓練を行うこととなった。

壷「 それじゃ、今から合同で戦闘訓練をします 」

壷「 Aチームは慶太・兎・葵
   Bチームは廃慈・杏・倍増だ 」

壷「 俺は客観的に分析したいから観客になる
   それぞれのチームの特色を考えて、戦術を相談してくれ 」


Aチームの作戦会議

葵「 Bチーム大丈夫かしら・・・
   杏ちゃんが無茶しなければいいんだけど・・・ 」


慶太「 心配しても始まらねーやな、とりあえず俺達の心配しようぜ? 」

葵「 そうだね、こっちのチームは火力重視で攻撃主体になるのかな? 」

兎「 かな?兄ちゃんはハイブリだし、姉ちゃんが凍らせる、
   慶太兄ちゃんがバッシュして、俺と慶太兄ちゃんで沈める。
   これがメインの攻撃手段になると思う 」


慶太「 そうだな、葵の負担がでかそうだけどやれるな? 」

葵「 うん、やってみる 」

慶太「 あと、アイスボルト使ってみるのもいいぞ、
    兎の足が速いから鈍足つけるだけでもかなり追い込めると思う。
    あとは倍増の動きには注意しろ 」


葵「 わかった・・・
   あとね、お兄ちゃんと兎は知らないだろうから教えておくと・・・
   杏には気をつけてね、かなり手ごわいと思う 」


兎「 そうなのか?へぇー杏がね・・・そりゃ楽しみだ、な?兄ちゃん 」

慶太「 そうだな、廃慈とは一緒に訓練したからある程度読めるが・・・
    杏と倍増は楽しみでもあるし、恐ろしくもあるな 」



一方、Bチームの作戦会議

廃慈「 ・・・ 」
倍増「 ・・・ 」
杏「 なんか言えよ! 」

廃慈「 ・・・ 」
倍増「 ・・・どうしよう、杏姉ちゃん・・・ 」
杏「 はぁ・・・あのさ、やる気あるよな? 」

倍増「 うん、やる気はある・・・と言うか、俺は負けられないんだ 」
廃慈「 ・・・ 」
杏「 負けられないね、まあいいだろうBチームは正直火力が私しかいない、
   しかも大魔法を使ったら、しばらくはPWの回復しなければならない 」


倍増「 うん・・・ 」
杏「 そこで、倍増と廃慈の出番になるわけだ。
   まず厄介なのが慶太兄ぃ、フリーにすると切り込まれて分断される 」


廃慈「 ・・・ 」
倍増「 慶太兄ちゃんは俺がマークして無力化する。
    だから、杏姉ちゃんと廃慈姉ちゃんで兎兄ちゃんを攻めてほしい。
    慶太兄ちゃんを無力にしたら、たぶん葵姉ちゃんも妨害に走るから 」


廃慈「 ・・・ 」こくりとうなづく
杏「 そこまでやることが判ってたら、倍増には言うことないな 」

杏「 廃慈姉ぇ、このチームは耐えて戦う事が大切になる。
   兎兄ぃが突っ込んできたら、とりあえずスタンプで鈍足を付けて欲しい、
   攻撃を受けるかもしれないけど、その分は倍返しにしてやるから 」


廃慈「 ・・・ 」こくりとうなづく
倍増「(俺が守ってやる・・・)」

壷「 それじゃいいかな?それぞれの開始地点に集合してくれ 」

壷「 俺の合図で戦闘開始だ、まず一回目は思い思いに戦い、
   後で何が良かったのか悪かったのか反省会をする、いいね? 」

慶太「 おう!いつでもこい! 」

壷「 それじゃ、スタート!! 」

Aチーム
慶太が戦闘を走り、その右に兎が、少し後ろに葵がついて移動


Bチーム
廃慈を先頭に、後方に杏、倍増はハイドを使い集団から少し離れて移動


慶太「 倍増の姿がないな・・・葵、兎、ハイドに気をつけろ 」
兎・葵「 わかった 」

両チームの距離が徐々に詰まり、
魔法の射程に突入する戦端を切ったのは杏だった。

杏「 サンダーボルト! 」
目にも留まらぬ速度で繰り出される魔法

慶太「 うぉ! 」
すさまじい音と共に衝撃で吹き飛ぶ慶太

スッ、タッ・・・
慶太が転ぶのを見計らったかのように足音が近づく。

兎「 兄ちゃん! 」
葵「 お兄ちゃん! 」

慶太「 大丈夫だって、びっくりしただけだ 」
慶太は立ち上がると、再び前線へ進んだ

その瞬間
倍増「 アームブレイク!ダークネスヴォイド! 」

慶太の視界がみるみるうちに闇に包まれていく・・・
慶太「 くっ・・・まさか俺狙いとは、葵フォローしてくれ 」

葵「 わかった、兎、無茶しないでね 」
葵は慶太に近寄り、倍増にアイスボルトを放つ・・・が当らない

葵の魔法を回避しつつ、徐々に距離を詰める倍増

一方、vs廃慈&杏
葵が離脱したことで、兎が一人突き出す形になった

互いに牽制しつつ、兎が慶太・葵と合流しようとすると・・・

杏「 サンダーボルト! 」
兎「 うわっ 」

行動を読んでいたのか、サンダーボルトの衝撃で兎の体が宙に舞う

兎が態勢を立て直して、立ち上がると・・・目の前に廃慈が

兎「 ちょっ・・・まて・・・ターイム!作戦ターイム! 」

ガンッ!
廃慈「 ・・・ 」(バッシュ)
杏「 ヘルファイヤー! 」ボゥッ

兎「 ぴよぴよぴよ! 」

葵「 あー!今度は兎がやばい 」

廃慈「 ・・・ 」(アーススタンプ)

さらに葵の牽制から身を翻した倍増が兎の背後に迫る

倍増「 ガードブレイク!アームブレイク! 」

葵「 あたれー!アイスジャベリン! 」

倍増を狙ったアイスジャベリンだったが・・・・なぜか杏にHIT

杏「 私かよ! 」

そうこうしている間に、兎のスタンが解ける
しかし、武器は剥ぎ取られなすすべがない。

一度、退こうとするが、すでに撤退方向へ廃慈が回り込んでいた。

ボンッ! 廃慈「 ・・・ 」(スラムアタック)

兎「 のぉおおおおおおお! 」

杏の前に無防備状態の兎が飛ばされる

杏「 ファイヤーランス 」ボッ!
兎「 きゅぅー 」

倍増の妨害で暗闇状態になっていた慶太の視界が戻ると
そこには無残な兎の姿が・・・

慶太「 葵、立て直すぞ、一旦退こう 」

スゥッ

葵「 わぁっ 」

慶太と葵の間に倍増が割って入り、ブレイクが決まる

Aチームは、火力である兎を失い、立て直すこともままならず、
はじめての合同訓練は、見事Bチームの勝利で幕を閉じた。