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こぼれ話13 聖バナナタインデー

今日は2月14日
そう、カセドリア名物、聖バナナタインデーである

その昔
聖ティファリス皇女がバナナ農家に居たころ

ティファリスが運んでいたバナナをつまづいた勢いで、
ウィンビーンにぶつけた事が起源で二人が結ばれたことに由来し
この日に女の子が好きな男の子にバナナをぶつけると恋愛が成就すると言われる

烏賊足兄妹達も例に漏れず、毎年バナナタインデーには義理バナナとして
モンキーバナナをぶつけたりしてきたのだが・・・

廃慈は悩んでいた

廃慈「( ・・・どうしよう )」

廃慈は、今年こそ本命バナナを投げるかどうか悩んでいた

廃慈「( ・・・ )」

悩みの元は、倍増である

バンクのトレーニングを通じて、倍増への信頼感が高まり
倍増に対する安心感が、恋心へと変わりつつあるのを廃慈は感じていた

廃慈「( ・・・よし、決めた! )」

悩んだ末、廃慈は市場へと向かった

八百屋「 ヘイラッシャーイ! 」
八百屋「 綺麗なお嬢さん聖バナナタインデーの用意だね? 」

廃慈「 ・・・ 」うなずく

八百屋「 本命バナナかな?義理バナナかな? 」
廃慈「 ・・・ 」店内を見回す

八百屋「 義理ならこれ!このプチモンキーが安くてお勧めだよ! 」

八百屋「 本命なら・・・コレ!キングジャイアントバナナ! 」
八百屋「 これさえぶつければ恋愛成就間違いなし! 」

廃慈「( ・・・凄いバナナ・・・ )」


廃慈が店先で、何を買うか迷っている時、倍増は・・・

倍増「( 廃慈姉ちゃん、今年はきっと慶太兄ちゃんにぶつけるんだろうな・・・)」

案の定、廃慈をハイドでストーキングしている倍増だった


廃慈「 ・・・! 」

やっと決心したのか
廃慈が指を指した先には、キングジャイアントバナナがあった

倍増「( !?・・・本命バナナを選んだ・・・ )」

八百屋「 お、これかい!お嬢さん本気だね? 」
八百屋「 きっと上手くいくよっ!毎度ありぃー! 」

廃慈「 ・・・ 」

御代を支払い、立派な房のキングバナナを受け取り
廃慈は思いつめた様な顔付きで家へ帰る

倍増「( ・・・あぁ、家に戻ったらあのバナナを・・・バナナを・・・) 」
廃慈がぶつける相手を知らない倍増は一人で勝手に凹んだ

倍増「( いっそのこと・・・邪魔してやろうか・・・ )」

ガンッ!
倍増「 ぴよぴよぴよ 」

バッシュメン「 はぁ・・・また、お前か!」
倍増「 !?・・・ち、違うんですっ! 」

バッシュメン「 何が違うんだ? 」

バッシュメン「 白昼堂々とハイドで若い娘をつけまわして・・・ 」
バッシュメン「 お前が怪しくなければ、誰が怪しいと言うんだ? 」

倍増「 だから、あの人は俺の・・・ 」

バッシュメン「 とりあえず、こっちへ来い、詳しい話はそこで聞く 」
倍増「 俺は違う、違うんだ、助けてー 」

こうして連行される倍増・・・
1日びっちりと拘留され、説教を受ける羽目に

廃慈「( ・・・倍増が・・・いない )」

結局、廃慈の本命バナナが倍増に当てられることはなかったとさ