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第三話 編成難航

烏賊足兄妹がバンク大会への出場を決めた日の晩、
慶太・兎・壷の三人は、バンク大会へ向けて様々な打ち合わせをしていた。

壷「 慶兄ぃ、参加表明時にも言ったけどさ
   作戦立案は俺に任せてくれるんだろうな? 」

慶太「 ああ、お前が一番の適任だと思う、でも・・・一つだけ頼みがある、
    みんなの意見を無視する様な独断専行だけはくれぐれも注意してくれ 」

壷「 兎兄もそれでいいか? 」

兎「 いいんじゃないの?そんな大事に構えることもねーって 」

壷「 なぁ、兎兄さ・・・バンク大会で勝つ為には何が一番必要だと思う? 」

兎「 ん?そんなの判りきってるだろうよ、相手より沢山殴って蹴散らせばOK 」

壷「 ・・・ 」
慶太「 ・・・ 」

兎「 ん?だめなのか? 」

壷「 いや、それでいいんだけどさ・・・ 」
   (その殴って蹴散らす為に何が必要かってことだよな、普通)

慶太「 まあ、兎はそれでいいさ、俺達がお膳立てしてやればいいことだしな 」
   (壷!兎に難しい質問するんじゃねーよ)

壷「 まず編成から決めないとだめなんだが・・・
   俺が思うに、7人なら片手・片手両手ハイブリ・両手か火皿
   火皿・氷皿・短剣・弓短ハイブリが良いと思う 」

壷「 兎兄は両手がベストだと思うから・・・
   片手・ヲリハイブリ・両手・火・氷・妨害・弓ハイブリ編成かな 」
   (ってか両手しか出来ないだろ・・この人は・・・)

慶太「 そうか、じゃあ壷から見て兄妹を各職に当てはめてみてくれ 」

兎「 はーい!はーい!俺は両手な?両手しかできないし 」

慶太「 兎はちょっとまて、まずは壷が思うベスト編成を聞いてみよう 」

壷「 そうだな、まず片手は攻守の要で全体を見渡す目と、
   味方の位置を把握しつつ敵を追い込んでいく役割。
   これは慶太兄が良いと思う 」

壷「 次にキーとなる氷皿、攻撃の起点を作り味方のピンチを救ったり、
   チャンスメーカーになる、味方からの信頼感が必要とされる、
   これは葵姉で決まりだな 」

壷「 次に火皿と両手、いくら味方がチャンスを作っても
   この二人が機能しなければ相手に致命的なダメージは与えられない、
   冷静に攻撃チャンスをうかがい、確実にチャンスをものに出来る人・・・
   兎兄と杏かな・・・性格的にもここしかないだろうな 」

壷「 ハイブリヲリ、状況次第で攻守を切り替える機転が必要で、
   攻守の足りない面を補いつつ、両手片手両方をサポートできる
   バランス感が大切なポジション・・・
   まあここは俺がやるしかないな、他に適任がいないし 」

壷「 続いて短剣、敵の後方かく乱から火力の無効化意表をつき
   敵陣を混乱に貶め、味方を有利に導く代わりに単独行動が多くなる、
   見つかれば誰よりも危険が付きまとう為、多少臆病なほうがいい・・・
   これは倍増がぴったりだな、何気にあいつは器用だし上手くやれると思う 」

壷「 のこるはハイブリスカ、ハイブリは状況に合わせて、
   柔軟な発想で武器を切り替える必要がある、
   遠中距離では敵の皿スカを牽制、いざとなったら短剣で敵を無力化する。
   引っ込み思案な分、敵と距離を空けて立ち回れる廃慈で良いと思う 」

壷「 ざっと俺の考えた編成だけどどうだろう? 」

慶太に意見を求める。

兎「 OK、それでいいだろう。なんせ俺が両手だってのが気に入ったぜ 」

壷「 兎兄には聞いちゃねーよ。
   兎兄は自分が両手なら他はなんだっていいくせに 」

慶太「 ふむ、これでいいと思うよ、さすが壷だな。
    みんなの性格に合わせて職を割り振ってると思うよ 」

そこへ葵が入ってきた。
葵「 あの・・・ちょっといいかな? 」

慶太「 うん?どうした? 」

葵「 んとね、廃慈ちゃんのことなんだけど・・・
   廃慈ちゃんね、今度のバンク大会で片手をやりたいんだって・・・
   あの子普段は自己主張絶対しないじゃない?
   出来たら、あの子のやりたいようにしてあげたいんだけど・・・だめかな?」

慶太「 え?廃慈が片手を?それは、自分で言ったのか?
    マジで?へぇぇぇぇ・・・・・・ 」

壷「 ぇ?廃慈が片手?だめだって
   片手はチームの中でも1〜2番に重要なポジションだよ?
   安心して任せられる慶太兄が適任だ。
   廃慈はハイブリのスカウトで決まりなの 」

慶太「 ・・・まぁ、壷の意見も判るんだが・・・
    俺は廃慈の自己主張を尊重してやりたい・・・だめか? 」

壷「 おいおい・・・約束が違うだろ。
   しかも、編成なんて一番譲れないところだろう・・・ 」

葵「 壷ちゃん、バンク大会で活躍するのは大事なことだけど、
   廃慈ちゃんがこれから、ずっと自己主張も出来ない自分の殻に
   閉じこもったままでもいいのかな?
   これがきっかけになって、廃慈ちゃんいい方向に行きそうな気がするんだ・・・
   私からもお願いするから・・・壷ちゃん、お願い・・・ね? 」

壷「 ったく、こんなことじゃこの先思いやられるな・・・
   全然作戦立案俺じゃねーじゃんか・・・・チェッ 」

葵「 ありがとう、壷ちゃん・・・
   憎まれ口叩きながらもそうやって兄妹のこと思いやってくれるところ、
   私は好きだよ?本当にありがとうね 」

壷「 そ、そんなんじゃねーよ、馬鹿言ってるんじゃねーよ・・・
   始める前からチームワークぶち壊す訳にも行かないだろうが・・・
   余計な詮索はするなよな・・・ 」

葵「 そっか、そうだよね・・・ふふ
   ・・・でも、本当にありがとうね壷ちゃん 」

壷「 だからよせって、お礼言われることじゃないっての・・・ 」

葵「 わかったよ・・じゃあ、お邪魔したね、廃慈ちゃんに知らせてくるよ
   きっと喜ぶよ〜、じゃああまり根をつめないでね、おやすみー 」

葵は笑顔でみんなに伝えると部屋からでていった。

慶太「 さすがの壷も葵の前じゃ形無しだな 」

兎「 なに?壷・・・・お前・・・まskオブェッ 」
ぐしゃっ・・・・壷の右ストレートが兎の顔面にクリーンHIT!
壁際まで吹き飛ぶ

壷「 うるさい黙れ・・・・ 」

兎はよたよたと立ち上がりながら・・・

兎「 壷君、君はとっても判りやすいな・・・はっはhブベラッ 」
追い討ちの膝蹴りが顔面にめり込んであえなく撃沈される兎であった

慶太「 兎も壷からかうのはいい加減にしろよ?
    敵と戦うまえにボロボロになってどうするよ 」

と、たしなめる慶太であったがなぜか顔は笑っていた。

結局編成は、廃慈が片手、慶太がハイブリヲリ、
壷がハイブリスカでしばらく様子をみることになったのだった。