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第二十四話 美の女神 ユノ

メルファリアを統括する天界には、神々がいる聖域があるという

冥王ハーゲス「 ユノよ、お前はまだ神となって日が浅い 」

冥王ハーゲス「 下界へと降り立ち、人々の暮らす様を肌で感じ
          彼らが求めるもの、恐れるものを自ら調べて参るのじゃ 」

美の女神ユノ「 ハーゲス様、わかりました 」

美の女神ユノ「 このユノ、未熟とはいえ神の端くれ、大任を果たして参ります 」

冥王ハーゲス「 ただしユノよ・・・下界に降り立つということは
          神としての能力は使えなくなると心得よ
          汝は一介の人間としてメルファリアへと降りるのじゃ・・・ 」

そして、ユノは神であったときの記憶と力を封印し
カセドリア村の辺にある川岸へ降り立った

ユノ「 ぅっ・・・うぅ・・・ここは・・・? 」
見慣れない風景に戸惑う

ユノ「 さ、寒い・・・ 」
時期は真冬、肌着一枚では当然のこと

あまりの寒さに震えていると
近くを通りかかった一人の若者がユノの存在に気づく

兎「 ん・・・?おーい、川遊びするには半年ほど早いぞ? 」
ユノ「 こ、これが川遊びしてる様に見える? 」

兎「 今から飛び込むんじゃないのか? 」
無茶なことを言う兎だが悪意はない・・・彼は天然なのだ

ユノ「 馬鹿なことを言わないでください、私は・・・私は? 」
兎「 私は? 」

ユノ「 私は・・・誰でしょう? 」
兎「 面白いやつだな、なんでそんな格好でこんなところにいるんだ? 」

ユノ「 ・・・判らない・・・ 」
兎「 判らないって自分の事なのにか? 」

ユノ「 はい・・・ 」
兎「 名前はなんていうんだ? 」

ユノ「 ゆ、ユノです 」
兎「 ユノっちか、可愛らしい名前だな、家はどこだ? 」

ユノ「 家・・・?わかりません 」
兎「 家もわからないのか・・・真冬にそんな格好してたら死んじゃうぞ 」

兎「 とりあえず、家にくるか?姉ちゃんの服なら着れそうだし 」
ユノ「 あ、あなたに施しを受けるいわれはありませんっ 」

兎「 そっか、お邪魔したよー、死なない様に頑張れよー 」
ユノ「 あっ、えっ・・・ちょっと、ちょっと・・・待って 」

兎「 うん?まだ何か用か? 」
ユノ「 普通、こんな状況で断ったからって、すぐあきらめる人がいますかっ! 」

兎「 嫌がってるの無理につれていくのも、悪いし 」
ユノ「 それでも放っておいたら、死ぬかもしれないんだから・・・ 」

ユノ「 ・・・その、もう一回ぐらい誘ってみるとか・・・ 」

兎「 なんだ、本当は助けてほしいのか・・・遠慮することないのに 」
ユノ「 べ、別に・・・助けてほしくなんか・・・な、ないんだからね! 」

兎「 よくわからない人だな・・・嫌ならいいよ、じゃあ行くね 」
ユノ「 ・・・ごめんなさい、あなたの家に連れてって下さい 」

兎「 最初からそう言えばいいのに・・・わからないねーちゃんだな 」
ユノ「 ・・・ 」

兎は上着を脱いで、見るからに寒そうなユノに着せる

兎「 寒いだろうし、これ着てなよ 」
ユノ「 べ、別に・・・寒くなんかっ・・・ 」

兎「 よくみると、ユノっちって凄い綺麗だな 」

ユノ「 えっ、ばっ・・・何をいきなり・・・ 」
ユノ「 そんな言葉に騙されるほど、お安くないんだからっ 」

兎「 ほら、あそこが家だ・・・久しぶりだな、みんな元気にしてるかな 」


こうして無事、ユノの人間界での生活が始まった