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こぼれ話14 ヴィネル祭り

ある日、烏賊足兄妹はヴィネルで行われる祭りを見物する為に遊びにきていた

ヴィネル島には、カジノや巨大湯治場があり
祭り期間中には大規模なカーニバルが開催され、観光客でごった返していた

慶太「 よーし、全員いるな? 」
慶太「 この人ゴミだ・・・はぐれない様に気をつけるんだぞ? 」

葵「 はーい、みんなしっかり付いてきてね 」

壷「 子供じゃないんだから、勘弁してくれよ 」
倍増「 一応、はぐれたときの集合場所決めたほうが良いんじゃないかな? 」
廃慈「 ・・・ 」

慶太「 そうだな・・・じゃぁ迷子になったらカジノの入り口に来ること 」
慶太「 合流できるまで単独行動はしないように!これでいいな? 」

一同「 はーい 」

兎「 おっ、そろそろカーニバルが始まるみたいだよ? 」
葵「 本当だ!早く行かないといい場所とられちゃう、みんな急いでっ 」

カーニバルの開始にあわせて
一斉に巡回路に人ゴミが移動を開始する

兄妹たちも人ゴミを掻き分け
なんとかカーニバルの順回路最前列を確保することに成功した

杏「 ん?あれ・・・慶兄ぃが居ない 」
葵「 本当だ・・・どこではぐれたのかな・・・? 」

兎「 まぁ、せっかくいい場所取れたんだし
   カーニバルが終わってからカジノの入り口に行こう 」

壷「 そうだな・・・慶兄だって子供じゃないんだから放っておいて大丈夫 」

廃慈「 ・・・ 」

葵「 それもそうね 」
葵「 一番のお楽しみ逃すのも嫌だし、そうしよっか 」


そのころ慶太は・・・

建物と建物の隙間に挟まっていた


慶太「 困った・・・動けない・・・ 」

カーニバルへ向かう人達に押され
ふとした拍子に壁の隙間へ押し込まれてしまったのだ

慶太「 だ、誰か・・・ 」

いくらもがいても、がっちりと挟まった体を自由にすることが出来ない

声を出してもカーニバルの喧騒に紛れ、通行人に届くことは無かった

首を回してみたり、手で体を押し出そうと壁を押してみたりと
どうにか自力で這い出そうと必死になる慶太

慶太「 はぁ・・・ダメだ、本格的にやば・・・んんっ!? 」

慶太の視線が壁の奥の建物の様子をとらえる

慶太「 あれは・・・ゴクリ 」
慶太の視線の先には、ヴィネル大浴場(女湯)があった

慶太「 ちょ・・・これじゃまるで覗きじゃないか! 」

このまま人に発見されてしまったら・・・
そう考えるとさらに焦る慶太

そこへ

ヨッチャン「 そこで何をしている? 」
慶太「 !? 」

ヨッチャン「 君・・・もしや、女風呂を覗いてるのか? 」
慶太「 ち、違う・・・これは事故だ! 」

ヨッチャン「 事故でそんな絶好のポジションに挟まったと? 」
慶太「 たまたまなんだ・・・信じてくれ 」

ヨッチャン「 君の言い分を一方的に信じるのは難しい・・・ 」
ヨッチャン「 とりあえず一緒に来てもらおうか 」

慶太「 どこへ・・・? 」
慶太「 本当に無実なんだ、信じてください 」

壁から脱出は出来たものの
GMの手により説教部屋へと連行される慶太

ヨッチャン「 その・・・うーん・・・ 」
ヨッチャン「 僕だって、せっかくのヴィネル祭りの日にBANなんてしたくない 」
ヨッチャン「 かといって、君のような不逞な輩を野放しにも出来ない 」

慶太「 不逞って・・・そんな、あれは事故なんですよ 」
ヨッチャン「 ・・・僕としては、そうだな・・・これは警告だ・・・ 」

ヨッチャン「 次は・・・無い! 」

慶太「 だから、なんで確信犯にされてるんですか・・・ 」
慶太「 俺は、何も悪くない 」

ヨッチャン「 いいですか? 」
ヨッチャン「 次に見つけたらBANしますよ? 」

散々絞られたあと、ようやく開放される慶太

急いでカジノの入り口へ向かう

葵「 もう、お兄ちゃんどこに行ってたの!心配してたんだよ? 」
慶太「 ・・・あ、いや・・・すまん 」

理由を言うわけにも行かず、ただ謝る慶太

杏「 どうせ綺麗な人でも見つけて、鼻の下伸ばして付いて行ったんだろ 」
慶太「 ばっ・・・そんなわけあるか! 」

杏「 じゃあ、今まで何してたのか言ってみろよ 」
慶太「 ぐっ・・・ 」

杏「 ・・・この女たらし! 」
慶太「 違う・・・違うんだっ! 」

こうして慶太にとって最悪のヴィネル祭りは幕を閉じたのでした